「ねえカツオ。タラちゃんは今どこにいるの?」

「タラチャン?」

「あなた、タラは生かしておいたって言ってたでしょう?今どこにいるのかすっと気になってたのよ。」

「ソンナニタラガ心配カイ?」

「当たり前じゃない、私の息子なのよ!」

「僕ヨリモ大事ナノカイ?」

「何言ってんのよ!比べられないわよそんなの!」

「僕ハ姉サン以外イナイノニ・・・」

「え?何か言った?」

「・・・僕ハ知ラナイヨ。タラハ怯エテ家ヲ飛ビ出シテ行ッタンダ」

「そう・・・」



この時カツオはかつての冷酷さと危うさとが入り混じった、

家族を惨殺したあの時の表情を一瞬見せたのだが、

サザエはこの時気それに付く事ができなかった。



そして数日後事件は起きた。














サザエが夕食の買い物から家へ帰ると何やら家の周りが騒がしかった。

サザエは何か嫌な予感がした。


何人もの警察が慌しく行き交っている。

何かあったに違いない、サザエは急いで警官に駆け寄った。


「一体何があったんです!?」

「ここは立ち入り禁止です、入らないで下さい。」

「私、この家の者です!」

「磯野、サザエさんですか?」

「はい、あの、何かあったんですか?」

「ご主人の中島さんが何者かに襲われ重体です、ですが、まだ微かではありますが息はあります。」








中島君・・・中島君・・・



私のかわいい中島君が・・・血だらけになって・・・








「中島君!死んじゃ嫌〜!!!!」

「奥さん、落ちついて!」

「中島君、一体誰にやられたの!!」



「も、・・・もちろん・・・」

「中島君!」






「もちろん磯野だよ〜・・・」




中島、享年11歳。好きな食べ物はミートソーススパゲッティー


できたならもう一度だけ、ミートソーススパゲッティーが食べたかった・・・




「おのれカツオ〜!!カツオ〜!!!出て来い!!!」

「何もかも私から奪いやがって!!!出て来い!!いるんだろ!!!」



「ククク、ウシロダヨ、姉サン☆」

「カツオ!貴様一体どういうつもりだ!」

「ククク、姉サンハ誰ニモ渡サナイ。姉サンハ僕ダケノ物ダ。」

「貴様何を言っているか分かってるのか!」


「お、おい・・・君・・・。君が中島さんを殺ったのか?」

「ソウダヨ。警察サン。」

「た・・・逮捕だ!こいつを逮捕しろ〜!」

「駄目だ!逃げろ!逃げるんだ〜!!」





・・・



・・・・・





「カツオ・・・私は殺さないのか?」

「姉サンハ特別ダヨ☆」

「私は絶対にお前を許さない。首を洗って待っていろ。」

「ドコヘ行ク気ダイ?」

「たえこさんと買い物だ」








ー 第一章 完 ー



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