「ジャム、カレー、食パン、バイキン・・・そしてバタ子。邪魔したな、帰るよ。」
「ふん・・・さっさと帰れ」
「ああ・・・」
アンパンマンは力なく青く広がった空へと飛び立っていった。
「行ってしまいましたね・・・。」
「ああ。」
「これで良かったんでしょうか、ジャムおじさん・・・。」
「・・・。」
「これで良かったんだ。確かにこれを着ければ俺は死なないですむ・・・だけど・・・」
「やっぱり俺には皆を殺せないよ・・・」
アンパンマンの頬に大粒の涙がこぼれる
「参ったな・・・顔が濡れて力が出ないや・・・」
アンパンマンは覚悟を決めていた
このまま静かに死んでいこう
「俺様はこのまま見過ごせない!」
「おい、バイキンマン!」
「離せジャム親父!このままあいつをほっとけるか!」
「冷静になりなよ、バイキンマン。これは皆で決めた事じゃないか」
「よくそんな冷静でいられるな食パン!お前あいつにしてもらった事を忘れたのか!」
「その手を離しな、ジャム親父。」
「痛っ!」
突然赤い足がニュルっと伸びてきたかと思うと気付いた時にはそれはジャム親父の顔面を捉えていた
思わずジャム親父はバイキンマンから手を離した
「さあ、行きな、あんた。」
「ドキンちゃん・・・はっひふっへほ〜!行ってくる!!」
「・・・まだそう遠くへは行ってないはずだ!必ず連れて戻ってこい!」
「俺様に任せな!ジャム親父!」
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