「ジャム親父、準備万端ってのは本当か?」
「おお、アンパン、来たか。まあ座れや。」
「・・・一応準備は整えたのだが・・・決定的な物が欠けているというか、その・・・」
「なんだよ決定的な物って。」
「生け贄」
「生け贄だ??」
「ちょっと待てよ、たかが顔一個作るのに生け贄って・・・大げさすぎねーか?」
「顔をなめちゃいけない!第一印象ってのはけっこう大事なものなんだ。その後の人間関係も第一印象に左右される。」
「えぇ〜!!人間関係も決まっちゃうの〜???」
「そうだ。ワシだってこんなプクプクした顔が災いしてしがないパン屋くらいしかできなかったんだ・・・」
「・・・」
「せめてもの復讐にお前を不細工に作った。」
「やっぱりか!!おかしいと思ったんだよ!!お前と一緒で顔丸いし鼻でかいし!おい!今度の顔はイケメンにしてくれよ!」
「・・・。で、生け贄の事なんだが」
「おい!!してくれるんだろうな?」
「ただの生け贄では駄目なんだ。」
「?」
「どういう事だ?」
「ただの生け贄では効力がないんだ。お前の事を思ってくれている人。要するに家族、恋人、友達ってとこだな」
「なっ!そんな・・・。でも家族なんかいないし恋人も・・・ジャム親父生け贄に」
「ワシはならんよ。」
「ちっ!じゃあ友達・・・ショクパン、カレーパン・・・いや、奴らは駄目だ。」
「俺様がいるぜ!」
「そ、その声は!!」
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