「キ、キテレツ斎様をでござるか!!?」
「ああ。私がただ一人尊敬する人物、人類史上最高の科学者、キテレツ斎様だ。」
「で、でもどうやってキテレツ斎様を?キテレツ斎様はとっくにお亡くなりになられてるでござるよ。」
「ふふ、君は何も知らないんだな。キテレツ斎様は今も生きているよ」
「何と!!それはまことでござるか!?」
「表向きには江戸時代の未明、死んだ事になっているが、これは厳密に言えば死んだのではなく消えたのだ。この世からね。」
「話が見えてこないでござるな。もう少し詳しくお聞かせ願いたい。」
「ここからの話は少しややこしくなるが、キテレツ斎様は、人類史上で初めて多次元空間の存在に気がついた。
これが14才の時だ。そして23の時、4次元空間を作る事に成功。32でn次元空間を作るための方程式を確立した。
この時キテレツ斎様はこの世の真理をつかむ事に成功。
そして35の時、特殊異次元空間を作り出し、自分自身を、 自分の過去ごとその空間内に封印した。
その時残したメッセージが、
『未来の科学者達へ。私をこの空間から出してみろ。その時、お前はこの世の全てを手に入れているだろう』」
「・・・壮絶な話でござるな・・・。」
「そしてキテレツ斎様が消えてから今まで、誰も彼の封印を解く事はできなかった。
いや、それどころか彼の存在に気づく者さえもいなかったであろう。
彼のあのメッセージはかなり難解な暗号文で構成されているからな。」
「しかし分からないでござるな・・・キテレツが、キテレツ斎様の封印を解く事が目当てなのは分かった。
しかし、なぜそこにカツオが関係してくるのでござるか?」
「キテレツ斎様の封印、すなわち特殊異次元空間を解く方法はおそらく二つある。
まず私のやり方。4次元から始めて行き、ひたすら次元を上げていって特殊異次元に変化するのを待つ方法。
そしてキテレツがとった方法の絶対的な存在を作りあげ、
この世の構成を根本から変え異次元を3次元に投影させるなどの次元変換を容易く行えるようにするやり方だ。
キテレツのやり方は危険すぎる。下手をすれば全ては無に帰る。」
「う・・・む。それで、キテレツは絶対的な存在を、カツオにしたのでござるな?」
「ああ。キテレツは徹底的にカツオを完璧な存在に仕上げている。このままでは奴に先を越されてしまう!!
何としてもそれは阻止しなければならない。私の方は残念ながらまだ4次元を作りだす事に留まっている・・・
コロスケよ、何としてもキテレツの野望を阻止するのだ!カツオはまだ完璧にはなりきっていない!今ならまだ間にあう! カツオを倒してくれ!」
「・・・ひきうけた。しかし、キテレツをコロスケした方が早いのでは?」
「駄目だ。私はやつのがっかりした顔を見たいんだ。自身の最高傑作であるカツオを破壊された時の やつの心中・・・ふふふ、想像しただけで心が躍る。」
「なるほど。確かにコロスケするよりも奴を苦しめるには効果的そうでござるな。」
「コロスケ、今お前一人で行くのは自殺行為に等しい。このドラえもんを私なりに改造してカツオとの戦いに 送り込もう。それまで各地にちらばった二人の戦士を探し出せ。」
「それは、誰と誰でござるか?」
「サザエ、アンパンマンの二人だ。」
「承知した。必ずやカツオを倒して見せよう。」
ー第3章 完ー
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